このメールマガジン
「働くあなたの公的年金&保険知っ得情報」も
今回の配信で、100回となります。
何を皆様にお伝えすべきか、何か皆様のお役に立つことはないか
日々、模索しております。
この配信は、私にとりまして、とてもいい勉強にもなっておりますので、
今後とも、お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
さて、今回は、障害年金の「加算」の条件が改正されるというお話です。
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平成23年4月1日から「障害年金」の一部が改正施行されます。
●障害年金の加算とは?
障害年金を受けている方に、
18歳未満のお子様や配偶者がいらっしゃる場合は、
年金額に加算があります。
障害年金を受けることが出来る権利(受給権)が発生する時に、
・国民年金
18歳未満(障害のおありになるお子様は20歳未満)のお子様
・厚生年金
65歳未満の配偶者で生計維持をされている方
(年収ベースで850万円未満)
以上、国民年金ではお子様が、厚生年金では配偶者が、
それぞれ加算の対象です。
●加算の問題点
この、加算、あくまで受給権発生時、つまり、障害の状態となり、
年金の権利が発生した時点のご家族が対象でした。
でも、受給権発生後、婚姻や、出産により
新たな配偶者やお子様が新たな家族として加わったとしても
加算対象とはなりませんでした。
唯一、受給権発生当時、胎児であったお子様の誕生の場合のみ、
誕生月の翌月から年金に加算がされることになっていました。
●改正点のポイント
今回は、この加算対象者の範囲の拡大が改正ポイントとなります。
法制定の趣旨は、
「結婚や子の出産等による生活状況の変化に応じたきめ細かな対応を
図る観点から、障害基礎年金、障害厚生年金の額の加算に係わる
子及び配偶者の範囲を拡大し、障害者の所得保障の一層の充実を
図るための所要の措置を講ずるものである」と記してあります。
条文も、改正にあわせ、
国民年金法第33条「受給権者がその権利を取得した当時その者
によって生計維持をしていたその者の・・」が
「受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者の・・」
と変わりますし、
厚生年金法も同様に
「その権利を取得した当時その者」を削除し、
「維持していた」を「維持している」に変わります。
障害基礎年金、障害厚生年金も受給権が発生した後から、
生計維持関係にあるお子様、配偶者を有するに至ったケースの場合は、
有するに至った月の翌月から加算が開始されます。
又、現在18歳未満等のお子様や65歳未満の配偶者がいらっしゃっても
従前の定めで加算対象とならなかった方々も施行月(平成23年4月)
から加算が開始されます。
生計維持関係の認定もこれに伴い、
受給権発生時点で行うものとされていましたが、
この改定で、加算を受ける間、認定を行うことになります。
●西尾はこう思います
具体的な手続き方法については、まだ不明ですが、
今回の改正は、障害の年金を受けていらっしゃる方には朗報ではないで
しょうか。
障害年金の加算の改正は、良かったと思います。
しかし、何度も申し上げて恐縮ですが、
私は、国民年金の遺族の範囲こそ、早急に改正するべきではないか
と思っています。
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児童扶養手当が支給されている場合の、
障害基礎年金の子供の加算の取扱いにも変更があります。
扶養手当は、子供が母子家庭、父子家庭など
一人親に監護されている場合に支給されますが、
ご両親がいらっしゃる場合で、
父又は母が児童扶養手当法施行令で定める程度の障害の状態にあれば
支給されます。
しかし、障害基礎年金の加算対象となる場合は、
この扶養手当の支給はされません。
子の加算額は、
1,2子までは年額227,900円。月額換算すると2万円弱。
一方、扶養手当全部支給の場合は、月額41,720円、
一部支給が親の収入により9,850〜41,710円と、
手当額のほうが高額となるケースもあります。
今回の改正で、受給後にお子様を有することで加算が支給されることにより、
扶養手当が支給されなくなる場合が出てくることに対し、
厚生労働省年金局長名で
「児童扶養手当の額が、この子を障害基礎年金の加算額の対象
とした場合の当該加算額を上回る場合においては、
当該子は児童付与不手当が支給される母又は父によって
生計を維持されており、当該子と障害基礎年金の受給権者である
父又は母との間には生計維持関係はないものと
取扱って差し支えないことにする」と
日本年金機構理事長宛通知しました。
つまり、今迄どおり、児童扶養手当を支給するということになります。
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〜〜〜〜〜〜編集後記〜〜〜〜〜〜〜