2007年4月の年金改正について

2007年4月から以下のような改正が予定されています。

課税強化という一面もありますし、又一方ではいよいよ離婚分割がスタート、
そして遺族の年金も厳しくなります。


○2007年4月1日老齢厚生年金の繰下げがスタート
 65歳から受け取ることの出来る本来の老齢厚生年金ですが、老齢基礎年金
 と同様に66歳以降に受け取りを遅くすることが出来るようになります。
 この制度は、昭和17年4月2日以後生まれの方に適用され、受け取りを遅く
 した分、年金額が増額されることになります。
 この制度の注意点は、65歳以降も現役で厚生年金の被保険者であり給与と
 年金が調整されている方に関しては、支給停止額を差し引いた後の年金額に
 しか、この増額率は適用されません。
 
○2007年4月1日から老齢厚生年金と遺族厚生年金の調整方法が変更
 従来、老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方を受け取る権利のある方は、
 両方を比較して額の多いほうを受け取ることが出来ましたが、4月からは
 自分の老齢厚生年金が優先支給されることになります。
 以下に例を挙げてご説明しましょう。

 遺族厚生年金 月額10万円 老齢厚生年金5万円の場合
 <従来>遺族厚生年金の10万円を選択
 <2007年4月1日以降>
 老齢厚生年金5万円+遺族厚生年金5万円(老齢との差額分のみ支給)
 
 一見、受取側には何の変化もないように見えますよね?
 ここで、出てくるのが税金のお話です。
 年金で、課税されるのは「老齢」の年金だけで、遺族や障害の年金は
 課税対象ではありません。
 優先して老齢の年金を受け取らせることで、政府としては課税対象が増えるわ
 けですね。
 
○2007年4月1日から遺族厚生年金の有期化がスタート
 30歳未満で夫が死亡の妻の場合、お子様がなければ遺族厚生年金は5年
 で支給が終了します。
 お子様がおいでの場合も、万が一お子様が死亡された場合、その後5年で支
 給が終了となります。
 
○2007年4月1日からいよいよ離婚分割がスタート
 この離婚分割、注意点は分割を受けるのは女性とは限らないという点です。
 この分割は、婚姻期間中の厚生年金保険料納付済期間の分割で、必ず
 高いほうから低いほうへの分割となります。
 ですから、もし婚姻期間に妻のほうが夫より給与が高ければ、妻の年金から
 夫への分割というケースも生じる場合があります。
 注意点をもうひとつ、分割を受ける側は自分の年金保険料納付済期間
 原則25年を満たしていることが条件となります。